CHAPTER 2 : WAITING FOR THE BLOOM OF ROSE 6



何だか少し、納得がいかないと思う。

夕飯の食器とほんの僅かな残り物は全て片づけられた。隣の和室には布団もきれいに敷かれた。
おまけに、先ほどまでは誘われるままに気持ちは浮つき、金子を押し倒していた。心地よい温泉宿、
夕食後のまどろんだひと時、そうして、体内を巡る冷酒――その空気に、否、もしかしたら金子に、
酔わされていた。だから、すっかりその気になっていたというのに。

「卓球?」
『ああ。温泉宿にはつきものだろう。あれをやろう』
「卓球を?」

仲居さんが退室した後、金子から出された提案に驚いた。

『そんなに驚くことか?それとも何だ、卓球に嫌な思い出でもあるのか』

そうではない。そもそも、卓球など小中学生の頃に何度かしたことがある位で、思い出を語る程
の経験もない。

「違う」
『だったら問題はないだろう?一度してみたかったんだ、旅館で卓球』
「卓球、したことがあるのか」
『ない。だがやり方は分かっている。大丈夫だ。俺は器用だからな』

ない、ときっぱり言われても。大丈夫だと太鼓判を押されても。
したこともないなら、何故そんなに卓球がしたいのか。普段だって、金子は運動など進んでする方
ではないというのに。大体、それは今でなければいけないのか。確かに仲居さんの登場でやや酔
いは醒めたが、といってそんなにあっさりと気持ちが切り換えられる訳ではないのだが。

『さ、行くぞ。いやあ、楽しみだ』

金子は、さっさと立ち上がって部屋の鍵を持つ。
こうなってはダメだ。金子を諦めさせるような決定打が打てなければ、何を言っても逆に丸め込
まれるのがオチだ。

そんな気分じゃないと言えば、じゃあどんな気分なんだと言い返されるだろう。卓球をやる気満
々の金子に向かって先程のつづきはどうした、と言っても、笑われそうだ。
といって、卓球は好きではないと嘘をつくのも躊躇われる。好きでも嫌いでもないし、嫌な思い出
がある訳でもないのなら尚のこと、単なる逃げ口上だと金子にすぐにバレてしまうだろう。

何の決定打も思い浮かばず、己の欲望に拘るのも躊躇われるものだから、結局金子に従わざるを
得ない。少しばかり、割り切れないものはあるが。



こうして卓球をする羽目になったのだが――あれからどれ位の時間が経っただろうか。1時間近
くにはなるだろう。
旅館の地階に設置された遊戯室と称する場所に行ってみると、夕食後間もないせいか、他に人は
いなかった。卓球の台は2つ。受付で卓球のラケットと球を受け取り、他所よりは少しだけひんやり
したこの場所で、卓球に打ち込むことになった。
当初は難渋していていたようだが、俺は器用だという言葉通り、金子はすぐに慣れてきた。もちろ
ん、自分もさほど上手い訳ではない。大体、この小さな台を中心に球を追うのは、大柄な自分には
少し窮屈だ。だが、それでも最初は打ち合いにならず、金子は少々苛々を募らせていたようだが、
数十分も過ぎると大分形になってきた。
何より、金子は真剣だった。

『序盤の借りを返すまでは止めないからな』

序盤においてスピードのあるスマッシュがなかなか決まらず、さらには打ち返された球をさばきき
れないことが金子の導火線に火を点けたようだった。

「そんなにムキになることもなかろう」
『いいや。これは意味合いが違う。無理難題に対してやみくもに負けん気を見せるなら、それは単
にムキになっているだけだが、俺は勝算も考慮している。実際、スマッシュが決まる確率は上がっ
ているのだからな。だから、ムキになっているのではなく、俺は負けて終わるのが嫌なだけだ』

自分にはその違いがよく分からない。それら全てをひっくるめてムキになっている、とは言わない
のだろうか。分からないが、少なくとも、金子が暫くは止めそうにないということだけは分かった。
今更言われるまでもなく、金子が負けず嫌いであることは分かっていた。普段は冷静さを装う男
だが、その実、案外熱い。それを今発揮されても……とは思うが。

それから、さらに数十分。

『はあ……そろそろ止めるか。疲れたな』

隣りの卓球台に家族らしき大人の男女と小学生位の子供2人が入ってきた時、それを見計らった
ように金子が声を掛けてきた。そんなきっかけがなくとも、随分長いことしていた。そのお陰か後
半の打ち合いはほぼ互角となっていたから、既に金子が避けようとしていた、「負けている」とい
う状態ではなくなっていた。止めるには丁度良い頃合いだったろう。

卓球自体は、それはそれで楽しかったと思う。金子があっという間に打ち合いをこなすようになっ
たから、尚更だ。
だが、やはりせっかく旅行に来たのだから、金子と2人、のんびり過ごしたい。ただ語らうだけでも
構わない。いつもの生活では見ることのなかった一面を知ったり、普段しないような話をしたりで
も良い。
ただ、何となく、
何となく2人で過ごしたいと思ったのだが――

『ついでに、大浴場を見てみないか。そこで汗も流したいし』
「……」

露天風呂が、部屋にもついているではないか――一瞬そんなことを考える。
すると、金子は自分の顔色からそれを読むかのように言葉を続けた。

『宿のパンフレットに自慢の大浴場となっていただろう。それに、温泉宿ということは大浴場こそ
がこの旅館の一押しの場所のはずだ。ならば、行っておかなければここを選んだ意味がない』
「うぅむ……」

確かにそれは間違ってはいないと思う。温泉宿という看板をあげているのだから、大浴場こそが
この旅館の、言わば顔だろう。それはそうなのだが。

『さ、行くぞ。いやあ、楽しみだ』

卓球に引き続き、2度目の台詞だ。

何だか少しもやもやとしたものが残る。残るのだが、説得力のある反駁が出来ない。出来ない以
上、結局またも押し切られてしまうのは当然と言えば当然であった……。


こうして、速やかに部屋に着替えを取りに戻り、向かった大浴場。

趣のある、濃淡入り混じった石灰色の大きな石で組まれた大浴場の床、壁、そして大きな温泉風呂
は、確かに堂々たる風情を醸し出していた。大浴場はせり出した大きなガラス窓に面しており、外
には数本の松を配した浴場からの鑑賞用のごく小さな庭と、その横に大浴場よりは小ぶりとはい
え、十分な広さを持った露天風呂が備え付けられていた。その先には部屋からも見ることの出来
た川と、そして林が広がっている。浴場内に湧き上がる薄い湯けむりが、大浴場と、そして窓から見
える景色を1つの絵のようにつなぎ、非現実的とも思えるような独特の空間を作り上げていた。

脱衣場で服を脱いだ2人は大浴場に足を踏み入れると、汗を流し、体を洗い、そうして大きな温泉
風呂に浸かる。当然のことながら、他にも数名の中高年らしき男性客がおり、温泉風呂にのんびり
と浸かっていた。


『良い眺めだな』

熱いお湯に頬の辺りをやや上気させた金子が、窓の外を眺めて呟く。金子は、隣で寛いだ表情を
見せていた。

その言葉に、確かにそうだと土田は思った。と同時に、金子の言動に不満のようなものを持った己
を反省した。金子は、この旅行を楽しんでいるのだという事実に、今になって気付いたからだ。
夕食をいつも以上に平らげ、したことのない卓球に挑戦し、そうして、旅館の自慢の大浴場に入る。
どれも、旅行を満喫したいという金子の心持の表出に他ならない。それはまた、自分が望んでい
たことでもあった。
金子に喜んでもらいたい――それが、この旅行の目的だったはずだ。ヨーロッパへの家族旅行の
代わりにはなり得ないだろうが、それでも楽しいひと時が過ごせればいいと思ってこの旅行の予
定を立てたのではなかったか。ならば、隣で穏やかな表情を見せて寛ぐ金子の姿を、自分は嬉し
く思うことはあっても、不満に思うことなど少しもないはずだ。
そのことに今更ながらに気づくとは、やはり自分は愚鈍なのだろう。

2人でゆっくり過ごしたい――それは確かにそうだ。だが、別に時間はいくらでもある。
そう思い直した土田は、金子の言葉に小さく頷いた。





良い眺めだな――そう声を掛けたら、土田は僅かにほほ笑んで、そうして小さく頷いた。

卓球に誘った時も、大浴場に誘った時も、納得していないという気持ちを言葉以外で表明してい
た土田だが、今はいつも通りの落ち着いた表情を見せている。

あの時、土田が不満を感じたことを、もちろん金子は察していた。

夕食の膳を片づけに仲居さんが来た時、土田とは良い雰囲気だった。
日常から離れ、土田と美味しい食事に舌鼓を打つ――気分は上々だった。すっかりリラックスして、
食事の後は少しばかりほろ酔い気分のまま、のんびり一服していると、窓の外には予想外の花火
が上がった。そんな偶然の出来事もまた、もちろん機嫌の良さを害するものではなかった。これが
夏の花火大会のような、ダイナミックなものであれば、大袈裟過ぎて少々白けたかもしれない。
だが、幸い見えたのはこの小さくて静かな町にはよく似合うごく小ぶりなもの。祭りの前夜祭か
何かのせいだったのか。
いずれにしろ、悪くない時間の過ごし方だと思った。

あと1つ足せば、完璧ではないか?――そんなことを考えて、土田に手を伸ばした。

唇を合わせることに、もはや土田からは何の躊躇いもみられない。ごく自然に合わせ、そうして口
を開く。土田の硬い胸板に寄りかかることも、これまたごく自然にしていた。
甘い、緩やかな時間――だが、土田は違う感想を口にした。
「少し、苦い」
確かに、煙草の味が口に残ったままだった。喫煙しない土田のことを考え、普段は喫煙直後のキス
は遠慮していた。だが、こんな時は気遣いよりも、自分の気分が優先した。
とはいえ、そう言われた以上、そのままキスを続ける訳にもいかない。といって、無論諦める気も
なかった。そうしてふと気づいたのが、夕食に出された果物だ。既にメインディッシュと冷酒で腹
は十二分に満たされていたから、デザートは摘まんだ程度で殆ど残していた。
果物は甘い。これは使える――そう思ってすぐさま行動に移す。背後で土田がさりげなく禁煙の
勧めを口にしていたが、そこは聞こえないフリをした。

苺を一粒口に含み、そうして再び土田に誘いをかける。

土田は相変わらずさほど表情を変えないままだったが、それでも素直に近づいてきて、口付けを
再開する。だが、互いの口内を行き来する内、その生ぬるい、卑猥な感触さえ与える苺の果肉に
翻弄されたのか、早晩土田の腕が腰にまわり、そうして腰から背中、腹の横の辺りを撫でてきた。

自分が誘いをかけ、そうして土田がそれに乗ってくる――
よくあることだ。大抵、自分が最初にその気になって、誘って、その後土田が徐々にその気になっ
てくる。尤も、その時間差は最後まで続くのか、こちらがもういいと言うのに土田が離れようとし
ない、ということもあったりするのだが。

それはともかく、苺の果肉を介したくすぐるような口付けは、やがて熱く、奪いあうようなものへ
と変わり、そうして土田の首に腕を回したまま、座敷の床に膝をつき、押し倒された。

土田の押し倒し方は、相変わらずイマイチ滑らかさに欠けていた。
もしかしたら、自分が押し倒す方が多いから土田はいつまでたっても学ばないのかもしれないが。
だが、そんなことはどうでも良かった。別に頭を打つ程乱暴だった訳ではない。まして、女ではな
いのだ。押し倒し方に殊更優しさなど求めてもいない。

土田のバイトのせいでここ数日ご無沙汰だっただけに、胸は否応なく高鳴った。それは、土田もど
うやら同じらしい。土田の視線が熱い。

『土田、来いよ』
土田を見つめ、そうして囁くように声を掛けると、土田は素直に覆いかぶさってくる――仲居さん
が声を掛けてきたのは、このタイミングだった。恐ろしいまでの、絶妙なタイミングだ。

すぐさまどこうとしない土田を押しのけて、この場の妖しい空気を消しにかかる。
女の勘は侮れない。だから、夕食の皿を片づけに来た仲居さんにはにこやかに話し掛けた。仲居
さんがなかなかの美人であったことも手伝って、食事が美味しかったこと、この静かな環境と宿
の雰囲気にすっかりリラックスしていること、ついでに旅館自慢の大浴場についていくつか質問し、
おまけに旅館の周辺の見所や、明日から行われるであろう駅の傍のお寺前の祭の情報まで、まる
でさりげなくナンパしているかのように色々と話を聞き出した。

ここまでやっておけば、仮に当初妖しい空気を感じたとしても、話し終わる頃には気のせいだった
と思ってくれることだろう。いや、そんな空気の存在すら忘れてくれたかもしれない。
男2人で露天風呂付の部屋を取っているのだ。これ位しておかなければ胡散臭く思われる。部屋
で食事を取ったお陰で、隣の和室に寝床を準備するのを何となく座敷で待つ羽目になったものだ
から、尚更だ。
2組の布団がきれいに隣り同士に敷かれていくのを見ているのは、実に居たたまれないものだっ
たのだから。

こうして、あれやこれやと考え、気遣いをみせた十数分が過ぎ、仲居さんは退室した。

当然のこと、先ほどの「その気」は自分の中で既に消え失せていた。だが、窓の外をぼーっと眺め
て待っていただけの土田は、どうやらそうではなかったようだ。それは土田と目が合った時、そ
のじっと見つめてくる視線で分かった。

欲情を、困惑したような、どこか憮然としたような表情に隠す土田は色っぽい。そうさせたのが自
分だと思えば、尚のこと、嬉しくなる。だが、と同時に、ちょっとからかってみたくなった。

今自分が土田に手を差し伸べれば、土田は確実にその手を取るはずだと分かっていた。だが、そ
うと分かるからこそ、その手をほんの少し出し惜しみしたくなるものだ。

いや、人が悪いとは思うのだ。思うのだが――やりたいのだから仕方がない。

そんな訳で、唐突な勢いで卓球を提案した。
もちろん、これは元から考えていたオプションでは全くない。大体が卓球などしたこともないし、
敢えてする必要もなかったものだ。だが、手を差し伸べる代わりに土田の手を引っ張って、卓球台
へと向かった。そうして、案外と単純に楽しかったせいもあり、また、土田を打ち負かせないものか
と少々ムキになったせいもあって、結局1時間以上もやってしまった。
運動したのだから、自然汗もかく。そうして、部屋には風呂が付いているのだから、そこで汗を流
すことも当然出来る。
だが――何となくそれを遠ざけてしまった。
もちろん、旅館の一押しである大浴場を見ておきたいという気持ちはあった。明朝利用すること
も可能だが、早起きは得意でないだけに、明日ではゆっくりとした時間は取れそうにない。ならば、
今日の内に入っておいた方がいい。時間は未だ10時過ぎだから、今夜ならばゆっくり出来る。
だがそれだけではなく、土田がどんな反応をするだろうという気もあった。
「その気」になっていた土田を卓球に誘った時、土田は少しばかり不満げだった。口にはしないも
のの、それは僅かな表情の変化と雰囲気から分かった。
今度はどうか――結論から言えば、やはり少し不満げだった。いや、不満というよりは、疑問を感
じているようだった。土田の考え方は一直線だ。汗をかいた→部屋には風呂がついている→では
部屋へ戻ろう、と恐らくは直球とも思えるシンプルな思考で答えを導き出したのだろう。
そこには好奇心とか、ちょっと寄り道というような不確定な要素は入らない。

そんな土田からすれば、自分は気まぐれに物事を提案しているように見えるに違いない。だが、物
事全てがそんなに合理的かつ単調に進むことはないのだ。
そう思うから、土田の直線的な言動を少しばかり乱してみたくなる。そんな真っ直ぐな道に横やり
を入れ、そうして、その時の反応を見てみたくなる。
だがそれだけではなく、もう1つ理由があった。

目の前に欲望の果実がぶら下がっていたからといって、すぐに手を出してはつまらないと思うの
だ。

このまま部屋に戻って健全なる汗を流し、今度は不健全に汗をかいてみてもいいのだが、それで
は何となく芸がないというか……いや、別に芸はなくても構わないのだが、何となくじらしてみ
たかったというか……

そんな訳で、今こうして大浴場の風呂に2人して浸かっている訳だが。
今になってふと気がついた。大浴場は失敗なんじゃないかと。

大浴場ともなると、他にも入浴客がいるのは当然だ。現に入った当初から中高年らしき男性が数
名いるし、今もまた親子らしき幾分若い男と小学校高学年辺りの男の子が入ってきた。

そうして思うのだが、必ず、皆一様に土田に一度視線を送るのだ。
それは怖い世界のお兄さんが入っている、と思われた可能性も無きにしも非ずだが、何よりこう
して裸になってみると、つくづくこの男は同性が羨むような体格をしているのだと気付かされる。

土田は185cmの長身に、贅肉は1つ残らず筋肉へと変換されて鋼を纏ったが如く立派な体格をし
ている。適度に日焼けした肌の色は、肉体をさらに引き締まって見せていた。厚い胸板、広い肩幅、
肩から腕にかけての線、背中から腰にかけて……と言い出したらキリがないが、まるでダビデ像か
と見紛うようなこの男の堂々たる体躯ときたらもう、一体何を食べて何をすればそのように育つ
のかと真顔で聞きたくなる程なのだ。
だからこそ、こうして視線は集まる訳で。このような場所であれば、尚のことそれは露わになる訳
で――と考えて、反面その隣に居る自分とは、さぞかし貧弱に見えてしまうんじゃないかと思い
当たったのだ。
もちろん、自分は決して貧弱な体格などではない。身長は178cmあるし、土田程じゃないが筋肉だっ
て程よく付いているし、贅肉だって殆どない。手足は長い方だし、まあ色の白さがややひ弱な印
象を与える可能性はあるが、ならば白人は揃って皆貧弱に見えるのかと問うてみれば、その根拠
の弱さが明らかだ。

と思うのだから、周囲の視線など気にする必要もさらさらないはずなのだが、にも関わらず何と
なく腹立たしくなるのは何故だろう。
そんな体格を持つ土田に嫉妬し、一方周囲の視線に対しては、土田ばかり見るんじゃないと思って
しまうのは何故だろう。……もしかしたら、土田に対する独占欲もあるのかもしれないが。

案外、じらされているのは自分の方なのではないか。
別に周囲の視線は土田のせいではないが、この男との体格差を自覚させられた上に、何の手だし
も出来ないというのは気分が悪い。



『土田、そろそろ出るぞ』
「まだ大して入っていないだろう」
『十分だ。どうせ部屋にも風呂はあるのだし』

そう答えると、土田の呆れたような視線と、それに続く長い溜息。

「……お前はつくづく気まぐれな男だな」
『うるさい』

何とでも言え。その自覚はあるんだ。だが、仕方ないだろう。お前と違って、俺は色々と考えてし
まうのだから。



周囲の視線は何も土田を見ていたとは限らないし、況して土田だけを見ていたとも限らない訳だ
が、土田に対して分厚い「らぶらぶ」フィルターのかかった金子には思いもよらないことだった……。





TO THE CHAPTER 2 : WAITING FOR THE BLOOM OF ROSE 7


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